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スワップ金利と税金


FXの利益に発生する税金の仕組みは他の資産運用に比べても複雑であり、確定申告の時期に悩む人も多いもの。特に悩ましいのが、FXサービスごとに反映の仕組みが異なるスワップ金利(スワップポイント)の扱いです。今回は、スワップポイントの仕組みと、スワップポイントにかかる税金について見てみましょう。

通貨ペアの金利差から生じる「スワップポイント」

スワップポイントとは、FXの取引で生じる利益であり、保有する通貨ペアの間に生じる金利差のことをいいます。基本的に通貨には、中央銀行によって金利(政策金利)が設定されています。国のお金を管理する中央銀行は、政策金利を調整することでお金の流通の自由度を調整する金融政策をおこなうため、通貨によって政策金利は異なります。ゼロ金利政策を取り入れている日本円やユーロ、米ドルなどは金利が極めて低く抑えられていますが、新興国や資源国など資金需要が盛んな国では、金利が高く設定されていいます。
そのため、日本円や米ドル、ユーロなどの低金利通貨と新興国・資源国通貨の通貨ペアを保有すると金利差が発生しますが、この金利差を「スワップポイント」と呼ぶのです。

FXサービスによって異なるスワップポイントの計算方法と税金

低金利通貨と高金利通貨の組み合わせで発生するスワップポイントですが、FXサービスによって計算方法が異なります。代表的なスワップポイントの計算方法を見てみると、

  • スワップポイントだけ毎日口座に反映される
  • 含み損益とスワップポイント共に決済するまで口座に反映されない
  • 含み損益とスワップポイントが毎日口座に反映される

に分けられます。

スワップポイントが毎日口座に反映される場合、毎日確定損益が発生することになります。そのため1回も取引をしなくても、確定申告の対象期間である1月1日から12月31日までにポジションの保有で発生するスワップポイントが課税対象となります。これに対して、スワップポイントがポジションの決済と同時に口座に反映されるFXサービスであれば未決済ポジションのスワップポイントは課税対象とはならず、決済した年にまとめて課税されることになります。

毎日決済とポジションの決済合わせではどちらが有利か

FXサービスごとにスワップポイントの決済方法が異なり、それによって課税の計算方法も異なることが分かりました。ここで気になるのは、毎日決済とポジションの決済合わせで決済するのでは、どちらが税金の面で有利なのか?という点です。ある通貨ペアのポジションを保有して、1年間にスワップポイントが10万円発生したと仮定して考えて見ましょう。毎日決済ではスワップポイントが確定した利益として口座に発生するので、確定申告のときにはスワップポイントも計算に含める必要があります。これに対してポジションの決済と合わせて決済する方法では、ポジションを決済するまではスワップポイントは確定しないため、利益として計算されません。スワップポイントを狙う取引であれば、ポジションの決済合わせでスワップポイントを決済するほうが税金の面では有利と言えます。
注意したい点として、FXで発生した利益にかかる税金は雑所得として扱われるため、他の金融商品との損益通算ができないことや、雑所得は20万円までは申告の義務がないものの、繰越控除を考えているのであれば確定申告が必要なことがあげられます。

おわりに

同じスワップポイントであってもFXサービスによって計算方法が異なるだけではなく、生じる税金の計算方法も異なります。FX口座を開設するときには、目に見えにくいこのようなポイントについても比較・健闘して、最適なFXサービスを選べるようにしましょう。

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